今夜、きみの手に触れさせて



「自己チューだし、やる気はねーし、ガマンもできねーしな」


とヤスくん。


「まー、お天気屋なんだよ、純太は」


「急に機嫌悪くなるし、あいつの気まぐれに、オレはいつも振り回されてる」


ふたりがしみじみとそう言うので、律ちゃんがキレた。


「ちょっと! そんな子を青依に紹介しないでよ」




「いや、だけど、なぜかみんな純太が好きなんだ。なんだろう、あれ」


とヤスくんは苦笑する。


「なんだろーなぁ」


北見くんまでそう言って首を傾げた。




「前に言ってたけど、矢代くんってホントに優しいの? 全然見えなかったよ? むしろ冷たそうで怖かったもん」


と律ちゃんは鋭く切り込んでいく。




きっとわたしのことを心配して聞いてくれてるんだろーけど、


もう断ったから、いいんだよ?