今夜、きみの手に触れさせて



「月島、ちょっといい?」


「え?」


振り返ると北見くんがいた。




「あ、うん」


おずおずとうなずくと、北見くんは律ちゃんの向かいの空席に腰を下ろす。


「オレも~」


と隣のクラスのヤスくんもいて、彼はわたしの向かい側に座った。




う~、やっぱ苦手だな、こーゆうの。


ヤスくんがニヤニヤとわたしの顔をのぞいてくるから、余計口ベタになりそうだった。




「昨日はサンキューな、月島」


北見くんが最初に口を開く。


ううん、と首を横に振ると、彼は続けてこう聞いた。




「どう? 純太……ダメかな?」


「ダメって?」


「あいつとつきあう気、ない?」




は?


どこをどうねじ曲げて、そういう話になるの?