鉄製の非常階段を純太くんが下りていく。 トトン、トトン、って足音が弾んでる。 スーッと深呼吸して、わたしも階段をのぼり始めた。 足音と一緒に口笛が聞こえてくる。 ん? 神夜透の曲かな? 空が青くて気持ちいい。 そのとき、下から純太くんの声が響いてきた。 「青依ちゃ~ん、今日、一緒帰る?」 「帰る!」 大きく答えた声が、晴れた空に吸い込まれていった。 FIN