今夜、きみの手に触れさせて



「ヤベー、止まんねー」


やっと体を離して、純太くんはドンッと鉄柵にもたれかかった。


「暑っち~」


向こうを向き、風に吹かれながら、制服のシャツの胸元を手でパタパタとやっている。






「んじゃ、戻るか」


しばらく幸せな余韻に浸っていると、純太くんがいきなり立ちあがった。


「へ、教室へ戻るの?」


「うん。オレはこのまま下へ降りて、一応保健室寄って帰るから、青依ちゃん、先戻っといて」


なんて純太くんはフツーに言う。




「も、もうちょっと2人でいたいかも……」


思わずそう言ったら、チョコンと頭をつつかれた。


「不良~。授業中だぜ」


「だって……」


不満げなわたしを見下ろして、純太くんはクスクス笑う。