今夜、きみの手に触れさせて



「イ、イヤじゃないよ。あの夜は純太くんの気持ちがわかんなくなっちゃっただけで……」


なんかうまくしゃべれない。


「今は?」


「今はわか…る……」


全部言い終わらないうちに、唇を塞がれた。




「ん……」


乱暴ではないけれど、いきなりの深いキス。






「ゴメン、待てねー」


やっと唇が離れたとき、かすれた声がささやいた。


「じゅんた……く……」




耳元に熱い吐息を感じる。


「も……手が届かないと思ってたから」


低い声が、吐息となって耳の中へ吹き込まれた。


「あ……」


思わず小さな声がこぼれる。




それから、耳たぶに甘いキス。


頬にも、まぶたにも、首筋にも……。




そして唇に繰り返される、切ないほどのキス……。