今夜、きみの手に触れさせて



「青依ちゃんがオレとかかわって、真っ赤になったり、泣いちゃったり、震えてたり、笑ったり……

オレなんかのために、なんでか青依ちゃんはいつも一生懸命で……」


涼やかな瞳が、キュッと閉じた。




「マジうれしかった」




純太くんはポツッとそう言った。


それからスーッと息を吸うと、純太くんは空を見あげる。




「誰にも……渡したくないと思った」








「純太くん……?」


そう言ったきり黙ってしまった純太くんを、小さな声で呼んだ。


ツーと、涼やかな視線がわたしのもとへと戻ってくる。




「けどオレ、もしも青依ちゃんがオレのことヤになって、孝也のこと好きになっても、しゃーねーって思ってっから」


「え」


「オレ、教室で青依ちゃんに会えるだけでいーや。

青依ちゃんが笑ったり泣いたりしてるのを見てるだけで、きっとがんばれるし」


「どう……して?」


「まー、そんだけ青依ちゃんが大切な人だってこと? 別れてもそーゆー関係になれるって思えるぐらい」