今夜、きみの手に触れさせて



『純太は強くなった』って言った修吾くんの言葉を思い出した。


「ゴメンねっ。あの曲は、純太くんの支えだったのに……」


あのipodの曲は、そんな純太くんのつらさを和らげてくれる存在だったんだ。


「ゴメンね、ゴメンね」


涙がこぼれた。


何もできない自分が恨めしかった。




「支えなら、いっぱいあっから」


純太くんの手が伸びてきて、指がチョンとわたしの涙をすくう。


「それに気づかせてくれたの、青依ちゃんだろ?」


「え?」




「オレがどんなに背を向けたって、オレのこと気にしてくれてるやつがいるって、

最近になって、やっとわかってきた」


「あ、うん……! 修吾くんやヤスくん。藤沢くんも、小川さんも」


「親も担任も、修吾んちのみんなもなー……」




みんな純太くんのことが大好きだ。
みんな純太くんのこと大切に思ってるよ。




「わかり合えっこねーって、そっぽ向いてたのに、青依ちゃんと知り合ってから、いろんなことが変わってくのな」


「え、それ、わたしかな?」




純太くんがそう思えるようになったとしたら、それはわたしの力では、きっとない。