そのとき――
教卓の真ん前の席から、小西くんが言った。
「先生、矢代くん、ろっ骨の折れたところが痛むそうです」
え?
「お、そーなのか?」と先生。
純太くんは、すかさずわたしとつないでいた手を離し、その手で胸を押さえて「うう」と唸った。
「保健室行ってくるわ」
なんて、先生にタメで告げている。
「そーだな。誰かついてってやれ。え~と、保健委員は……」
着席するみんなのほうを見渡す先生に、誰かが言う。
「月島さんで~す」
へ?
声をあげたのは御堂さんだった。
で、でも、わたし美化委員だよ?
くじ引きで保険委員に決まったのは、確か……、
あ、御堂さんだ。
わたしの席の後ろに目をやると、御堂さんは指で小さく『Ⅴ』ってしてくれた。
あ、ありがとう……!



