今夜、きみの手に触れさせて



「兄貴の葬式のとき、泣き崩れるおばさんの横に、純太はちょこんと座ってた。あいつ泣き虫だったからさー、オレは参列しながらずっと心配で見てたんだ」


修吾くんは当時を思い出すように遠い目をする。


「だけど純太は、泣き崩れるおばさんの代わりに、弔問客に小さく頭を下げて答えてたよ。

心労で耐えきれなくなったおばさんが退席してからも、純太はひとりでじっとそこに座ってた」


うさぎが死んでも涙が止まらなくなる純太くんが、そんなにがんばったんだね。




「それから確かにあいつは感情を表さなくなったし、すっかり無気力になっちまったけど、」


そこで修吾くんは言葉を切って、わたしを見た。


「けど月島と仲良くなって、笑顔を取り戻して……、結局のところ、純太はオレなんかよりずっと強くなった」


修吾くん……。




「それがオレの知ってること」


そう胸を張った修吾くんの笑顔を見あげる。




「わたしも強くなりたい……!」


純太くんみたいに、強くなりたい。