今夜、きみの手に触れさせて



頭をガーンって、何か硬いもので殴られた気がした。


純太くんにお兄さんがいたなんて。

そんな悲しいことが……あったなんて。


わたし……
なんにも知らなかった。




「3年前のあの日、って小川さん言ったけど、それはあの画像を撮られた日がお兄さんの命日だったってこと?」


「うん。たまたまなんだけど、あの事故の前日がわたしの誕生日だったから、よく覚えてんの。

時間もあれぐらいだったんじゃないかな? お兄さんが亡くなった時刻に合わせて、純太はあんたを連れて行ったんだと思うよ」




そう……だったんだ。


だからあんな遅い時間に誘われたのか。


ふたりでお参りしようとしてくれたんだね。




「あんたさー、それを何も気づかないとか、ありえなくない?」


「う……」


本当に、なんで何も感じなかったんだろう?


そう言えば、あの晩あの場所へ向かう純太くん、すごく無口だった。


何か考え事でもしているようで……。


そうだ、買った缶コーラに口もつけずに、純太くんはガードレールの下に置いてたっけ。


あれはお兄さんのために買ったんだ……。