今夜、きみの手に触れさせて



知らなかった。


純太くんがそんなことを話していてくれたなんて。


そのために、あの日小川さんを誘って帰ったなんて……。


それなのに、わたしってば、小川さんと帰っていった純太くんを信じられなくなって恨んでたっけ。


自分のほうこそ、なんの勇気も出せなかったくせに。




「あんたは恥ずかしがり屋だから、つきあってること誰にも言うなよって、純太言ってたよ。なのに、いきなりあんな画像が出回っちゃうんだもん、ビックリした」


そう言いながら、小川さんの表情が暗くなっていく。




「あれ見て、純太がホテルに女を連れ込んだと思ってるバカが、結構いるんだよね。

純太にとって、あそこがどんなに特別な場所なのか、知りもしないで」


そう小川さんは続けた。




「え?」


「純太はずっとあの場所へ行けなかったんだよ。事故の後、みんなでお花を供えに行こうとしても、体が硬直して歩けなくなっちゃって……」


「事故……」