今夜、きみの手に触れさせて



「あ~あ、それを確かめに来たのに」


そうして、タメ息交じりにそう続ける。


噂の真相を確かめに来た小川さんは、きっと今でも純太くんのことが好きなんだよね。




「純太はあんたのこと、マジだったと思うよ」




だけど小川さんはそう言って、わたしの顔をジロリと眺めた。


「だから、あんたがいい加減な気持ちで純太のことをフッたんなら、殴ってやろうと思ってたのに」


なんて、怖いことを言う。




「純太くんがマジだったなんて……、どうして言えるの?」


わたしにだって、わからないことなのに。


小川さんはどうしてそう思ったんだろう?




「初めてだったから、あんな純太は」


わたしの質問に、小川さんはポツリとつぶやいた。




「あいつ、一緒に帰ろーなんて誘ってくるから何事かと思ったら『彼女ができたからイジメんなよ』って、しつこいったらないの。結局それが言いたかっただけ、ね」


あ……。


「あんたのこと好きなんだろうなって思ったよ」


そう言った小川さんは、もう一度小さなタメ息をついた。