今夜、きみの手に触れさせて



「あ、あの……、純太くんのことが好きなの。つ、つきあえることになってうれしくて、でも、うまくいかなくて、ケンカみたいになっちゃって……。

純太くんはもう別れたと思ってるかもしれない」


そんなふうに説明してみた。


「は? 何それ」


だけど小川さんは納得してくれない。




「別れたかどうか、自分でわからないの?」


「た、確かめるの怖いし、話しかけられなくて……」


情けないけど、ホントのことだった。


「なんて言われたのよ、純太に」


小川さんはあきれ顔で聞いてくる。




「他の子にすれば?って……。『じゃーな』って言われて、それっきり……」


「しゃべってないの?」


わたしがコクッとうなずくと、小川さんは「ん~」と唸った。


純太くんがどういうつもりなのか、小川さんでも判断がつきかねるらしい。




「お、小川さんは誰に聞いたの? わたしたちが別れたって」


もし純太くんに近い人が発信源なら、純太くんがそう言ってるってことだ。


「タケシの彼女」


「タケシくんの……」


「ガセだよ、きっと」


と小川さんは言い切った。