今夜、きみの手に触れさせて



「あいつ気にしてるだろ? あんな写真が出回っちゃって」


話を戻して、藤沢くんがそう聞いてくれる。


「あ……。まだそのことについては、しゃべってなくて……」


「そうなんだ?」




さっきから、純太くんとはもうダメかもしれない、なんて言えなかった……。


せっかく自分の気持ちを切り替えて、こうしてわたしに接してくれる藤沢くんに悪いもん。




「似……合わないでしょ? わたしと純太くんって」


思いきってそう聞くと、藤沢くんは不思議そうな顔をした。


「どうして?」


「だって純太くんとわたしとじゃあ、ちがいすぎるっていうか……。ちょっと温度差あり過ぎて、ウザがられちゃってるかも」


なんて、なるべく明るく言ってみる。


そんなわたしを見て、メガネの奥の目が優しく微笑んだ。




「オレはむしろ、お似合いだと思ったよ。月島さんと純太って。

だから、敵わないと思ったんだ」


いつも数学の正解を教えてくれるみたいに、藤沢くんはスッパリとそう言ってくれた。