今夜、きみの手に触れさせて



「え?」


顔をあげると、藤沢くんは「あっは」と笑いだす。


「純太なんだろ? 彼氏って」




「えっ、藤沢くん、純太くんのこと知ってるの?」


驚いて聞き返したら、藤沢くんは2回もうなずいた。


「知ってるも何も、オレと純太は小学校のときから大の仲良しなんだ。中学入って、一緒にいることはなくなったけど」


「そ、そうだったの?」


「うん。だからびっくりしたよ。あの写真」


そこで藤沢くんは、ちょっぴり言葉を切った。




「あいつと写ってたの、月島さんだよね」


あ……。


藤沢くんも、あれを見たらしい。あのキスの画像。


「顔は見えなかったけど、オレ、キミの服装でわかっちゃった。とか言ったらストーカーっぽいかな」


なんて藤沢くんは、照れくさそうに笑った。




自転車を押しながら並んで歩く道。


街灯に照らされて、アスファルトがチラチラと煌めいている。




「衝撃的……だったけどね、あの写真。でも純太なら仕方ないやって思えたんだ」


そう藤沢くんは言った。


「オレ、大好きなんだよなぁ、あいつ」