今夜、きみの手に触れさせて



律ちゃんも藤沢くんも、他の顔馴染みも誰もいない教室。


ひとりぼっちで授業を終えると、わたしはとぼとぼと自転車置き場に向かった。




「月島さん」


あ。


後ろから声をかけられて振り向くと、藤沢くんが立っていた。


「お疲れ。途中まで一緒に帰ろう」


「あ、うん……」


この前みたいに、自転車を並べて歩き出す。




「Aクラスに落っこちちゃった」


自分からそう言うと、藤沢くんは「大丈夫だよ」と微笑んだ。


「テストの点で機械的にクラスを分けられちゃうけど、この前のテストがたまたま不調だっただけで、月島さんの実力が下がったわけじゃないんだから」


「そ……うかな?」


「次のテストが普段通りにできたら、すぐにSクラスに戻れるさ」


なんて、爽やかに言ってくれる。




「でも、なんだか集中できなくて……」


わたしがそう言うと、藤沢くんはフッと笑った。




「それは、例の……彼氏のせい?」