今夜、きみの手に触れさせて


それからオレらは昔話をしながら帰った。


「修吾ってさー、小学生の頃はクラスで一番カッコよかったのにね」


なんて翠が言う。


「なんだよ、その残念そうな口ぶりは」


「だってあんなゴリラみたいに育つと思わなかったもん」


「ブハッ、確かに」


ふたりでゲラゲラ笑った。





あっという間に、別れ道にさしかかる。




「じゃーね」

「おー」




軽く手をあげて歩きかけ、それから足を止めて振り返った。


向こうも立ち止まったまま、こっちを見ている。




「ありがとな、今まで」


「え?」


「もう大丈夫だから、オレ」




オレがそう言うと、翠はなんだか観念したように、笑った。