今夜、きみの手に触れさせて



「初めてだよね、あんたがそんなこと言いに来たの」


翠はポツッとつぶやく。




「今度はマジってこと?」


「まぁ……そーなる」


「いいなぁ、純太にそんなふうに思われて、その子がうらやましい」


「イジメんなよ」


繰り返し警告したら「しつこいよ!」ってキレられた。




「だってお前、こえーもん」


青依ちゃん、すぐに泣いちまうからな。


翠に呼び出されたりしたら大変だ。




「バカね。あーゆー子のほうが実は強いんだから」


「いやいやいやいや、お前、相当こえーぞ? わかってねーのか?」


そう言ったら、バシッと背中を叩かれた。




「イッテーッ」


「ふん。バーカ」




「ブハッ、ひっさびさだな~、その怪力」


「あんたが失礼なこと言うからでしょっ」


こーゆー言い合いもホント久しぶり。




翠とは小学3年からクラスが同じだった。


あの頃は口も達者で手も早い翠たち女子に、オレら男子はいつもやり込まれてたっけな。


大昔の話だけど。