「ごめんな」
やっと泣きやんだ翠にそう言うと、翠の口がへの字になった。
「バカ……」
と震えた声で言う。
「純太が学校来たのも、笑ってんのも、
わたしを誘ってこうして向き合ってくれたのも、
そんなふうに謝ってくれるのも……、
全部、その子のおかげ?」
「え?」
「その子が、純太を変えたの……?」
「あー、かも」
「だったら、認めないわけにいかないじゃん」
小さなタメ息をつくと、翠はまた少し泣いた。
「で、誰なのよ、その彼女って」
それから急に元気を取り戻す。
む……。
言っても大丈夫か、コイツ。
青依ちゃんシメたりしないよな?
「あ! 前に純太んちで会った真面目そうな子か」
「……イジメんなよ」
「そっか、なるほど、あの子ね」
「イジメんなよ」
もっかい念を押したら、ギロッと睨まれた。