今夜、きみの手に触れさせて



『彼女になって』
とは言ってくれなかったけど、


『オレの彼女になる?』
って、純太くんは聞いてくれた。


わたし、ブンブンうなずいたもん。


わたしたち、つきあってるよね?




ふたりで一緒に過ごして、
いっぱいキスをして……


両想いだもんね?




なのにどうして、わたしはいつも自分に自信が持てないんだろう……?




このまま、誰かにとられちゃってもいいの?






「藤沢くん……」


「ん?」


「わ、わたしね、好きな人がいるの」


「えっ」


「もうつきあってるの」


「ええっ」




どちらからともなく足を止めた。


「返事は卒業してからって言われてたのに、ゴメンなさい!」


頭を下げる。




「あ、いや……」


藤沢くんの口元から笑みが消えていく。




「そっか、全然知らなかった」


キュッと唇を噛んだ顔を見て、胸が締め付けられた。


こんなわたしを好きだと言ってくれた優しい人だから……。