今夜、きみの手に触れさせて



ダーッとそのまま、斉藤くんは教室を出ていった。


握りしめた小銭でパンを買いに行くのかもしれない。




「んじゃ」


小西くんのところへ戻ろうとする純太くんに、修吾くんが声をかけた。


「どこ行くんだよ、純太」


「あーオレ、向こうで小西と食ってくる」


「はぁ? なんだ、それ。みんなお前と食おうと思って、ここに集まってんのに」


修吾くんがまたポカンとしている。




「なんか、それ、暑苦しーもん」


なんて、純太くんはサラッと言った。


「おっ前なー……」


あまりの自由発言に、修吾くんは絶句しちゃってる。




「いーから! さっさと来いって」


「ふぁ~い」


それでも修吾くんに怒られて、純太くんは自分の席に戻ることにしたみたい。




「小西、お前も」


と修吾くんは手招きをして、小西くんも呼んだ。