今夜、きみの手に触れさせて



「え」


サーッと、斉藤くんの顔から血の気が引いていく。




「はぁ~?」

「斉藤――っ、てめぇ修吾をパシらせる気か?」


修吾くんの周りのけんかっ早い子たちが色めき立った。



次の瞬間、ダッシュで修吾くんの元へ行き、斉藤くんは大慌てで小銭を回収する。




「ま、まさかオレ、北見くんに買いに行かそうなんて、お、思ってないから」


必死で言い訳をする斉藤くんに、修吾くんは間延びした声を出した。


「あーそー? ならいーけど」




そうしてペコリとお辞儀をして、そそくさとその場を去ろうとする後ろ姿を呼び止める。




「斉藤」


「はいっ」


「小西はオレのツレだから、」


「は……い」


「イジメたら、ただじゃおかねー」


「は、はい……っ」



それから修吾くんは席に着いたまま、純太くんをチラッと見あげた。


『これでいーの?』と聞くみたいに。