今夜、きみの手に触れさせて



「こんな席にいきなり替わらせるやつより、よっぽど友だちだ。なー、小西」


そう言って斉藤くんは、小西くんの頭をくしゃくしゃっと乱暴に撫でまわす。




純太くんはそんな斉藤くんをジーッと見あげると、


「あ、そー」


と言った。




それからすっくと席を立ち、小西くんの机の小銭を集め出す。


それを手に、今度はスタスタと歩き出した。

窓際の席に向かって。




「修吾、パン買ってきてよ。どこで買うのか、オレわかんねーし」


純太くんは修吾くんがいる机に小銭を置きながら、そう言った。




「はぁ?」


修吾くんはポカンとしている。




「純太、コンビニで買って来たんじゃねーのかよ」


「いや、オレじゃなくてあいつが買って来いってさ。えーと……」


それから純太くんは振り返り、教卓の前で立ち尽くす斉藤くんに大声をかけた。




「お前、名前なんだっけ?」