今夜、きみの手に触れさせて



翌日も――


純太くんはちゃんと登校してきた。


昨日と違って授業もあるし、時間も長くなるけど、大丈夫かな?




授業中そっと目をやると、窓の外ではなく、彼はぼんやりと黒板を見ていた。


頬づえをついて景色でも眺めるように。




きれいな目。
髪が陽に透けている。


同じ教室にいるなんてウソみたいだ……。





休み時間になると、純太くんの周りは仲間でにぎやかになった。


きっと気になるんだろうな。
修吾くんが休み時間のたびに、彼の席まで行って話しかけるから、自然とそこに人が集まる。


修吾くんはみんなに慕われてるからね。


ヤスくんも隣のクラスから、ちょいちょい顔を見せていた。




そんなに心配されているのにどこ吹く風で、純太くんはみんなの話を聞いているのか、いないのか……


ひとりでマンガを読んでたりした。




マンガ、禁止なんだけどな、学校。