今夜、きみの手に触れさせて



「ヤだ?」


軽くパニクってたら、そう聞かれた。


「イ、イヤじゃないけど……」




なんでかな?


わたしの頭の中でグルグル回り出したのは、自分がどうしたいかではなくて、


みんなにどう思われるのかってことだった。


わたしなんかがそんなことをして、笑われるんじゃないかとか、バカにされるんじゃないかとか……。


後ろの席の御堂さんたちの笑い声が、耳に残っていた。




「恥ずかしいの?」


純太くんは、そんなわたしから目をそらさない。


「う、うん……」


小さくうなずいた。




「オレさー、青依ちゃんとお手てつないで帰れると思ったから、学校来たんだけど」


「え……」




お、おて、お手て……?


ム、ムリ! 絶対ムリ!


恥ずかしいよ……!




これはホントのわたしの心。




真っ赤になったわたしを見て、純太くんはクスッと笑った。