近づいてみると、矢代くんの座っている車止めはそんなに大きくはなかった。
並んで座ったら、肩とか触れ合っちゃいそうだ。
でも矢代くんはそのコンクリの真ん中には座らずに、ちゃんと隣を空けてくれている。
ここに座れってことだよね?
突っ立ってると、不思議そうに見あげられた。
こ、これしきのことで、いつまでもためらってたら不審がられる。
思いきって矢代くんの隣にストンと腰を下ろし、アイスを受け取る。
ドキドキドキ……。
心臓の音を聞かれないように、背中を丸め、こそこそとアイスを食べていると、横で小さな息がもれた。
クス……と、笑われた気がする。
顔をあげるより先にスラッと聞かれた。
「お前、何年生なの?」
な……?
ほっ、ほらね、こーゆーこと言う。



