今夜、きみの手に触れさせて



修吾のおっちゃんが駆けつけて、間に入ってくれなかったら、土下座でもさせられてたかもしれない。


最愛の息子の突然の死に、母さんは放心状態だったし、成宮くんの親戚に言われることを冷静に判断できる状態ではなかったんだ。




だけど反論もせずに声高になじられた内容は、そのまま葬式の列席者の口から口へと伝わっていった。


つまり、兄貴が無免許運転で成宮くんを殺したってことが、既成の事実となったんだ。




『ひどい話よね。お気の毒に、成宮さん』

『そんなことで長年育てた子供の命を奪われたら、たまったもんじゃないわ』




ささやく声が
冷ややかな視線が、


母さんとオレに容赦なく向けられた。




中には同情やいたわりの目もあったろうに、
すべてが非難と好奇の刃に見えて、


オレは初めて他人が怖かった。




息子の死のショックと、

取り返しのつかない大罪と、

悪意に満ちた視線――。




母さんが絶望したのは無理もなく、


とてもまともではいられなかったんだと思う……。