今夜、きみの手に触れさせて



「まー、そーゆー事情だからケータイはちょっとまオアズケな。兄貴にガマンさせた分、オレも同じにしたいんだ」


話を戻してそう言うと、ヤスも修吾も力強くうなずいた。




ヤスにだけじゃないな。


こうして兄貴のことや、自分の気持ちを修吾に話すのも、あの事故以来初めてかもしれない。


やっぱりオレは……変わったのかな?




『あの子がお前に色を灯していく』


修吾の言葉が蘇った。




そんな大げさなものかわかんねーけど、半日あの子と過ごしただけで、自分の気持ちがずいぶん和らいでいるのを感じる。




ハ……。


そんな自分が単純でみっともなくて照れくさくて……、


でもなんだか、うれしかったりもした。




そうして――


そーこーするうちに、母親が仕事から帰ってきた。


「おばさん。純太がカレー作ったんだぜ」


修吾がうれしそうに報告している。




「あら、でも、食べてきちゃったのよ、夕ご飯」


母親は残念そうに言った。


ほらな。