今夜、きみの手に触れさせて



『で、でも、日曜は休みなの』


言い訳みたいにそう言った。


『日曜日?』


『うん……』


ダメ……かな?




『じゃー待っとく』


矢代くんはスラッと言う。




『ホ、ホントに?』


思わず大きな声を出したら、彼はまた柔らかな息を漏らした。


なんだか……電話のほうが話し方とか、優しく感じる。




『優しい……ね』


小さな声でそう言うと『どこがっ?』って矢代くんは笑った。




そうしてわたしたちは日曜日に会う約束をして、電話を切ったんだ。


すごい、わたし。まるで彼女みたいだ。




『電話しないと始まんねーと思ったから』


そう言ってくれた言葉が蘇る……。




始めようと思ってくれたの?

こんなわたしと……?




お返しにわたしもがんばろうと思うよ。


日曜は絶対にドーナツを作って持っていく!


手作りが好きだと言った矢代くんのために……。