今夜、きみの手に触れさせて



矢代くんはそんなわたしを見て、ふんわりと微笑む。


それから「うう」って、胸を押さえた。


えっ?


「今のでオレ、ろっ骨折れたかも」


「ええっ」


青ざめたわたしに矢代くんはスラッと言う。




「あんま可愛い-から、胸キュンってやーつ」






え?

えええっ?




暗がりでも真っ赤になってんのがわかるのかな?


矢代くんはこっちを向いて、クスッと笑った。


か、からかわれてるんだろーか……?






「今はもう行かねーんだけどな、修吾んち」


それから矢代くんはポツッと言った。




「どうして?」


「んー、どんなに好きでも、あそこは修吾んちだからな。おっちゃんもおばちゃんも……修吾の親だから。

あんまり入り浸ってると、そんなこともわかんなくなる」