「純太ってさー、何考えてんのか全然わかんないし、やめといて正解だよ?」
「そーそー。あいつ顔がいいから告られること多いけど、つきあってもすぐ別れちゃうしね。ありゃ何か欠陥があるわ。手が早いとか」
「わがままなんだよ、純太」
「第一ヒッキ―なんだから、デートで遊びに行ったりとかできなくない?」
そう言って、翔子ちゃんとヒナちゃんは小声で代わる代わる矢代くんをけなしていく。
どうやらわたしをなぐさめてくれてるらしかった。へへ。
そんなわけでいつ帰るって言おうか考え中に、玄関のドアが開く音がして、また新たなお仲間が入って来たみたい。
あ、小川さんだ。小川翠(ミドリ)さん。
一年生のとき同じクラスだった元気な子。
小川さんは入って来るなり、矢代くんの前にちょこんと座って、ぺらぺらとしゃべり始めた。



