「えー、紹介?」



目も口もまぁるくして、わたしは思わず聞き返した。


お昼休み、仲良しの律ちゃんが突然ヘンなことを言ったから。




「うん。青依に聞いてくれない?って、北見くんが」



北見くんとゆーのは、律ちゃんの彼氏。


中三に進級してクラスメイトになったばっかの北見くんに告られて、律ちゃんはつきあいだした。


今が6月だから、もう、ひと月半になるかな。


で、なぜかその北見くんがわたしに男子を紹介してくれるらしいんだ。




「相手って、北見くんの友だち?」


わたしはおずおずと聞く。


「うん……」


と律ちゃんは少し困ったように笑った。


れ? 感づかれちゃってるのかな?




実はわたしね、北見くんとか、少し苦手なんだ……。