孝也とまた二コイチになって客をさばいていく。
オレがガンガン氷を削って、孝也は注文を聞きシロップをかけて精算する係。
「よし、最強のコンビ復活だ」
「おー」
孝也の素直な笑顔にのせられて、ガラにもなくがんばってみたりする。
「だけど、純太が手伝ってくれるとは思わなかったな」
客足が少し落ち着いてきた頃、改めて孝也はそんなことを言った。
「困った声で電話してきたの、そっちだろーが。今年は孝也のおじさん、祭りの実行委員長なんだろ?」
「うん、くじで当たっちゃってね。会社人間だから地元の知り合いとか少ないし、皆がいろいろと引き受けてくれて助かったよ」
「孝也からのSOSは、みんな大歓迎らしいぞ」
地元民を代表してそう言っておいた。
「あはは、ありがとう」
真面目で勉強熱心な孝也とは、中学に入ってからは一緒に遊ぶこともなくなっていたからな。
修吾もオレも、頼りにされてうれしかったんだ、たぶん。



