くじ引きや、スーパーボールすくいなんかもやっている。
そして、その向こうが、かき氷のゾーンらしい。
まわりこんで矢代くんの姿を確認しようとしたら、律ちゃんに話しかけられた。
「じゃあ青依は、かき氷担当ね。わたしは焼きそばふたつ買ってくるから」
「う、うん」
「混雑してるから手分けして買って、後ですべり台のとこで落ち合おう」
「あ、あの、修吾くんとゆっくりしゃべってきて大丈夫だよ」
念のためにそう言うと、律ちゃんはうれしそうに笑った。
「うん。青依もね。矢代くんとしゃべっておいで」
いやいや……。それは、ないないない。
日にちも空いちゃったし、こっちはもうわたしが誰なのか、覚えてもらえてるのかどうかさえ……。
それでも、
明かりに群がるひとりの客として、矢代くんの作ってくれたかき氷を、ありがたく頂くことにしよう。
それが今日の小さな目標。
律ちゃんと別れて、いざ出陣!



