今夜、きみの手に触れさせて



「青依どうする? 北見くんが来るまで待っとこっか。よくわかんないし」


小声で律ちゃんが囁いた。


「う……ん」




ホントに矢代くんに話は通ってるんだろうか?


『紹介』される相手が来るってのに、興味なさすぎじゃない?


それとも、もうわたしを見てがっかりしちゃったあとだとか……。




「コーラのデカいやつ、冷蔵庫に入れてあるから飲んでいーよ」


と、お花をつけてないほうの女の子『ヒナ』ちゃんが言った。


ヒナちゃんたちはもうコーラをコップに入れて飲んでいる。


どうやら矢代くんちの冷蔵庫は、みんなで自由に使われてるみたい。




「わぁい、ありがと。青依の分も入れてきてあげるね」


そう言いながら、律ちゃんはキッチンへと立った。




「あ、うん……」


「…………」


「…………」




わ、律ちゃんがいないと気まずいな。


何か話さないと、つまんない子だと思われる。