当然ながら、さっきからカッカと顔が熱い。
「なんで、いつも真っ赤になるの?」
意地悪じゃなく、
からかってるんでもなく、
子どもが質問するように、矢代くんは聞いた。
「あ、ダメなの、わたし……。
よく知らない人としゃべるときとか、恥ずかしかったり緊張したりすると、すぐ赤くなる……」
「よく知らない人?」
矢代くんはフッと笑って、自分を指差す。
「ち、ちがう。あ、いや、ちがわないんだけど、でも矢代くんの場合はそういうことじゃなくて、なんて言うか……」
えっと……。
えっと……。
『よく知らない人』じゃなくて
『好きな人』だから――。
ま、まさか、そんなことを言えるわけないのに、このままだとヘンなことを口走ってしまいそう。
「わたし……」
ダ、ダメだよ。バカ。わかってる?



