「ノボるんは誰にでも優しいから、本音が見えないっていうか……よく、わからないんだよねぇ。よく2人で飲みに行くけど、甘いムードにならないし。お客さんからの電話にも普通に出るしさ」
『うーん』と悩み始めたカエデちゃんは、さっきまでとは違って不安そうな顔付きだ。
確かに……ノボル君からしてみればカエデちゃんは憧れのリュウの妹であって。
お店のオーナーであり大先輩のイッキさんの妹でもあるから、簡単に手を出したり出来ないのかなとも思う。
だけど、大事なのはノボル君の気持ちだ。
いくらなんでも、何とも思ってない子とプライベートで頻繁に会ったりしないと思うんだけどな。
「カエデちゃんから告白してみれば?」
肝が座ってるから、カエデちゃんならノボル君に言えちゃいそう。
「ム、ムリムリ!あたし、意外と度胸ないからさ〜!」
「そっかぁ。それほど好きなんだね」
「今までたくさん恋愛して来たはずなのに、こんなにドキドキするのは初めてなんだぁ」
美久と戯れるノボル君を、どこか寂しげに見つめるカエデちゃんに胸が痛んだ。



