毎年この地域では秋に大きなフェスティバルがあって、今回あたしはくじ引きで役員に当たってしまった。


1ヶ月後に控えた大掛かりなイベントで、役員になった人は大変だというウワサも聞いていたんだけれど。


リュウが怒っている理由は他にあった。



「相手が男ってなんなんだよ?」



リュウはあたしにそう詰め寄り、どんどん目付きが鋭く険しくなって行く。



「仕方ないでしょ。どこも手が足りなくて、いっぱいいっぱいなんだから」



「2人でポテト売るってありえねぇだろ」



くじ引きでポテトを売る役になり、同じく、くじ引きで決まったもうひとりの人が男性ということにリュウは怒っているのだ。