「大好きだよ。星璃。」
「…知ってる」
あー。かわいくない返事の仕方だよね。
必死でうれしい気持ち隠してる。
ほんとは飛び跳ねたいくらい嬉しいもん。
好きな人に『好き』って言ってもらえるだけで、こんなに幸せな気持ちになるんだ…。
「世界で一番幸せかも…」
「これから、もっと俺が幸せにしてやる」
その言葉を聞いた瞬間、涙が出た。
こんなに私のこと考えていてくれたんだ…。
私が、ただ思い込みすぎただけ。
泣くなよ~って言いながら涙を拭いてくれる優馬。
「なんかさ、星璃とは一緒にいて一番落ち着く相手のはずなのに、最近は妙に緊張するってゆーか、めっちゃドキドキする」
少し顔を赤くしながら優馬が言った。
「本当は、外に出かけて…デ、デートとかしたいんだけど誘う勇気がないんだ…。俺って本当にヘタレ」
「そんなことない」
私は、はっきり言った。
優馬がヘタレなわけない。
「だって優馬は、ずっと私のこと守ってくれてたじゃん。ヘタレじゃないよ。私だって優馬と一緒に、出かけたいよ。でも、ずっと言えなかった」
ずっと伝えたかったことを言えてすっきりした。
「じゃあさ、今度出かけよ!!」
優馬が提案した。
「…うんっ」
もう嬉しすぎて、目頭が熱くなって、視界がぼやけてきた。
私は、やっと分かった。
いきなり『幼なじみ』から『恋人』にならなくていい。
ゆっくり、ゆっくりお互い恋人になっていけばいいってこと。
私にとって、運命の人は優馬なんだろうなぁ。

