うち、河野弥奈。
蜜月 紘乃に片想いしたりしてる。
「紘乃くん、ほんと趣味悪いよねー。
舞留はないわー。ただのたらしやん」
親友の葉瑠がポッキーをかじりながら言う。
佐倉 舞留は、紘乃の彼女。舞留と紘乃はけっこーらぶらぶで、
「うちの入る隙間なんてないねんな。」
「そんなことねーよっ 弥奈はかわいいから!!!」
葉瑠がフォローしてくれるが、いまいち。
すると、教室の外に、男の子が立っていた。
「すいません、弥奈さんはいますか?」
「弥奈?うちやけど…」
すると男の子はかぁっと赤くなって、焦り始めた。

またか。

うちは嫌になって、ちょっと怒ってやった。
「あんさぁ、告りにくんなら、顔覚えてからきんしゃい!」
男の子は真っ赤になって去っていった。
「おい、弥奈!こーら、また男泣かせてやがるな??」
紘乃が笑って、うちの頭を叩いてきた。
「うるせーな、だってー。」
「まー、いつも弥奈は告白されとるからな!
しゃーないな、」
紘乃がぎゃははと笑う。それを見て、舞留もくすりと笑った。
「弥奈さんはモテるのになんで彼氏いないんですか?」
「こら、舞留。
こんなやつに彼氏なんてできねーだろ爆笑」
そうやって笑う紘乃。
うちも、「ばーか。あほ!」って返すけど、じつは傷ついてたりする。
「…ばか。だいすきだ。」
誰にも聞こえないように、つぶやいてみた。