いじわる執事とお嬢様。

そんな僕を見て、奥様が言いにくそうに口を開く。


「本当に急で申し訳ないんだけど…今日からお願いできるかしら?」


「さっき急に日本をたつ予定がはやまってしまったから…。」



「わかりました。すぐに荷物をまとめてお伺い致します。」


時刻は夜8時を指していた。


僕の家からお嬢様のお屋敷までは
片道2時間。

今夜お嬢様にはお会いできそうにないな。


ご両親と別れてから
僕は急いでレストランを出た。