いじわる執事とお嬢様。


俺はつめたくそう言い放ち、
逃げるようにその場を離れる。





「あっ、翔待って…」


「やめときな」


追いかけようとする心愛とそれを引き止める香織の姿がちらりと見えた。




でも俺はそんな二人を無視して屋上に向かう。



『キィ…』



重い鉄製の扉を開け、辺りを見渡すと
誰もそこにはいなかった。