いじわる執事とお嬢様。

そんな私の様子を見ても顔色一つ変えず彼は言う。



「心愛お嬢様の執事です。」


「……はあ?!」


驚く私をちらりと見やり、仁は続けた。


「心愛お嬢様のご両親がいらっしゃらない間、僕が執事兼ボディーガードをいたします。」



「べ、別にアンタなんかいなくても私は平気だよ!」



「そうですかね?」

「今朝だって…僕がお嬢様を学校まで車でお送りすれば遅刻しなかったのでは。」


「…っ」


コイツ…痛い所を突いてくる。