いじわる執事とお嬢様。

そう言って香織は続けた。


「…心愛も、意識してるんじゃない?」





「…そんなことないよ」




あんな執事のことなんてなんとも思ってないし。


意識してるとか…絶対ありえない!




「でもさ…」

「ふざけんなよ!!」


香織が何かをいいかけたと同時に、
ずっと黙って話を聞いていた翔が声を荒らげた。





さっきまでざわついていた教室内に静寂が生まれる。