…くそ…これじゃ全部あいつのシナリオ通りってことか…
唇を噛み締めた。
「…お前は私がこうなることも…お見通しだったってことか…」
「そうだ。今お前いい表情してるな。」
あいつは嗤いを浮かべながら私に近づいてきた。
「俺は…今のお前の表情が好きなんだ。」
どんどん近くなるあいつとの距離。
私は少しずつ後ずさる。
「だってほら…」
ーピタ
背中に冷たいものが触れる。
あいつは私の方を見て怪しく笑う。
…これもあいつの思い通りか…
悔しくなって顔が歪んだ。
あいつは私の目の前にきて、私の耳元で
「人が屈辱をうけた時の顔って…
どうしようもなく可笑しいからな…」
そう囁き、ニタッと嗤った。

