…なんか今日はいつも以上に疲れたな…

「ハァ…」

学校からの帰り道、何度目かのため息をついた。

トボトボ歩いているといきなり後ろから

「イヤァァァアアアアアア!!!!」

という女子の叫び声が聞こえてきた。

…イヤな予感がする…っ!

方向転換をすると全速力で声のする方へ走り出した。




校門の前に着き、顔を上げると、魔界からやってきたであろう魔物が学校のいたるところを荒らしていた。

…なぜこいつらがここに…!?

このままでは青山が危ない。

魔物は「不」のオーラを放つ者を殺そうとする習性がある。

だから「不」の力が一番強い赤紫色のオーラは特に狙われやすいのだ。

…人目を気にしている場合じゃない!!

呪文をとなえると背中から綺麗な青色の翼がはえ、私はそのまま空へと舞い上がった。

「嘘!?飛んだ!?」

したから生徒の騒ぎ声がきこえてくる。

私はそんなこと気にもとめず、青山を空の上から探し始めた。

すると突然

「キエエエエエエエエエ!!!!」

魔物が奇声をあげ地面へと急降下していった。

…ヤバイ!!!

空中で身をひるがえすと魔物の後をおった。

魔物は青山に襲いかかる…!!

ードンッ!!

「キエッ!!」

…間に合った…

私は青山の前にバリアをはり、なんとか魔物が衝突するのは防げた。

「…お前はこの中にいろ。一歩も外に出るな。」

青山にそれだけ言うと、バリアにぶつかり倒れていた魔物の近くへ行った。

「キエッ!キエエエエエエエエエ!!」

再び空の飛び上がろうとする魔物の羽をつかんで捕まえる。

「…行かせない。」

魔物を思い切り睨みつけると羽をバタバタさせ、暴れだす。

「…抵抗するな。」

ーバサッ

地面に押さえつけると魔物の羽が周りに舞う。

「キエッ…」

魔物が弱々しくなく。

「…死ね。」

手から青色の炎をだし、魔物にぶつける。

「ギエエエエエエエエエエエエ!!」

魔物は奇声を発すると灰となった。

「ハァ…ハァ…」

呼吸が苦しくなり、背中に生えていた翼は次々と散り、やがてなくなった。

ーグラッ

体が地面に崩れ落ちる。

「ルリ!!」

青山の声が遠くで聞こえ、視界は真っ暗になった。