ガチャ...
 
「蘭ちゃん!」
「キャッ」
 
 ガチャッ
 
 私は開けてすぐドアをしめた。
 
「怖がらないで!僕だよ。夏樹だよ、夏樹!覚えてない?」
 
 ドアの隙間から聞こえる声。

「夏樹...?」
 
 ドアを開けて、顔を見た。
 
「サングラスとか外してくれない?」
「あっ、うん。」
 
 サングラスやマスクをとった姿に仰天した。
 
「夏樹...くん?」
「うん、そうだよ!蘭!久しぶり!」

 そこにいたのは、小学校が同じだった【市川 夏樹】だった。
 
「夏樹くん!久しぶり!でも、どうしてここに?」
「それがね、僕、ここに引っ越すことになって、ここの高校に通うことになったんだ!」
「本当!?嬉しい!じゃあ、さっきのメールって夏樹くん?」
「メールって?蘭ちゃんのアドレスわからないよ?」
「え。。」
 
 背中が凍るように寒くなった。
 じゃあ誰?
 私にメールしたのはいったい誰なの。
 
「怖いよ...夏希くん。」
「えっ!?どうして!?」
「さっきね、迷惑メールがきて、内容が気持ち悪いの。まるで監視されてるようで...」
「それは大変だ。家留守なの?」
「うん、私しかいない。だから怖くて。」
「じゃあ僕がいとく。親御さんが帰ってくるまで守るから。」
「え?うん、ありがと。じゃあ中はいって。」
 
「オイ、待てよ...」
「ヒィィィィィ!」
 
 目の前には郁也がいた。
 
「い、郁也!ど、どうして!」
「どうしてもこうしてもじゃねーよ!何、知らねー男を家の中にいれようとしてんだよ!アホ!」
「あ、いや、こちらは夏樹くんっていって、小学校が同じでとっても仲が良かったの!」
「だからってダメに決まってんだろーが!俺も入る!つか入れろ!」
「あぁぁ、う、うん。」
 
 部屋には、私と男2人。
 気まずい。
 しかも彼氏もいる。
 
「蘭ちゃん、すごくキレイになったね。」
「えっ//そう?ありがと~(*´艸`*)」
「うん、やっぱり小学校の時から蘭ちゃんは学校のマドンナだったからね。」
「いやいやぁ、それほどでもぉ///」
「アホか、蘭。」
「っ、褒めてくれてるからいいじゃん。」
「さっきから、蘭ちゃんにアホアホいってますが、あなたはどちら様で?」
「あ゛?俺?俺は蘭の彼氏だ。」
「彼氏?あなたが?」
「は?なんだ?やんのかテメー。」
 
 髪の毛真っ黒でキレ顔の郁也と、
 髪の毛は茶色でかわいい顔の夏樹くん。
 とても違和感があります。
 
「夏樹っつーの?お前。」
「はい。」
「お前さ、蘭のこと好きだろ。」
「はい、そうですが。なにか?」
 
 カミングア―――――――ウト!!!!
 
 それいっちゃ喧嘩なりますね。
 
「やっぱり、お前蘭と二人きりになったら襲うつもりだっただろ?」
「いえ、僕は久しぶりに会ってそんなはしたない行為はしませんから。」
 
「あ゛?」
 
(ちょいちょいちょい、なんだこのタイプの違いわぁ)
 
「夏樹、お前には違う女あげるから蘭は俺のものだ。」
 
(違う女って誰やねんっ)
 
「え?違う女?僕は蘭ちゃん一筋ですから。」
「そーか、へぇ。ふぅーん。」
 
 空気が思い。
 いったいどうなるの。
 
 
 続く..