「郁也ぁ~、もーぅ早い早い!」
「学校遅れるぞ!いそげ、蘭!」
 
 
「いいよなぁあのバカップル。美男美女。なんも言うことなしだよ。」
 
 そう、私たちは学校で一番のカップル。
 だけど私はそうとは思わない。だって...
 
 
「郁也、これなに!?」
「あぁ、前遊んだ娘。」
「遊んだ子って...また浮気!?どうしてやめてくれないの!」
「だってお前飽きちゃうじゃん?お前はこの学校での彼女だからさぁ」
 
 郁也は遊び人なんです。
 日に日に彼女をつくって、タイムラインで載せる。
 私が見たって彼はなんにも反省ナシ。
 
「どうして、私はここの学校だけなの?」
「ッハァ・・・疲れるんだよ、束縛ありすぎ。俺が好きだからって
俺だって自由だろ?」
「そっそうだけどさ。」
 
 こうやっていつも私は郁也の口に負ける。
 本当だったら別れてる。
 だけど、郁也のことが好きすぎて離れられないの。
 
 ~~学校にて~~
 
「蘭~、一緒に弁当食おうぜ~」
「うん!」
 
 私はそこまで可愛くなかった。
 だけど、郁也を好きになってから、美意識があがって
 毎晩肌を整えたり、シャンプーやリンス、トリートメントなどで髪の毛をキレイに。大変だけどそれが楽しくなって今も続けている。
 
「あ、蘭。唇に米粒ついてる。」
「え?あ、恥ずかしい。ありがと。」
「いやまって、俺がとるから。」
 
 ペロッ...
 
『キャァ~、郁也様って本当に蘭ちゃんのことが好きなのね~///』
 
 慣れた女子たちの声。
 こんなに優しくされるから、好きで仕方がないんだよ。
 
「蘭、どうしたんだ?最近暗くない?」
「う、ううん。大丈夫。ちょっとお腹いたくて。ハハハ」
「そう。腹壊すなよ。」
「うん、ありがと。」
 
 いつまでも続けばいいのに。
 
 だけどそんな幸せは続かなかった。
 
 続く...