「先生またうちの生徒が行方不明です」

そう言っているのは桜野 美咲(さくらの みさき)

この日野高校の3年の担任だ。

そして美咲が話しかけているのは俺こと矢沢 史斗(やざわ ふみと)

この学校の3年の副担任だ。

「そうですか…」

俺は冷たく答える。

「ちょっと矢沢先生!あなた生徒がいな くなったのに無関心なんですか⁉︎」

桜野先生がつっかかる。

俺は桜野先生を睨みつける。

しばらくの沈黙が続いた後ドアが開く。

校長だ。

「大変なことになりましたね。もう今年 で5人目ですよ。こんなんじゃうちの 信用にも関わってくる。私の株も下が りっ ぱなしですよ。」

「そんなこと言ってる場合じゃないでしよ!」

校長の言葉に桜野が反応した。

「と、とにかく警察を…」

「待ってください」

桜野のが警察を呼ぼうとしたのを俺が止める。
視線が集まる。

「呼ぶ必要などありません。この件も私 が対処しますから。」

俺はこう言った。

皆俺に抗議の目を向けている。
だが誰一人俺に抗議出来ない。
それもそうだ、俺はこの学校の理事長の息子だからな。

「ふぅ、ではそういうことで」

俺はそう言いこの場を後にした…。