「今日の空は、雲1つない、いい天気ですね」

郁が、空を見上げながらそう言った。

ちなみに彼が敬語なのは、決して俺たちに遠慮しているとかではなく、元からだそうだ。

「春だからね〜」

悠心が寝転がりながら言う。

今にも寝てしまいそうだ。

「おい、寝るなよ。お前、寝起きひどいから、起こしたくねーんだよ。早く起きないとお前の弁当食っちまうぞ」

そんなことを言ったのは雅で、懸命に悠心を起こしにかかっていた。